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■アユを食べる外来魚 ブラックバスのキャッチアンドリリース(2002/4/19 朝日新聞滋賀版朝刊)

外来魚のブラックバス釣りが全国でも盛んな琵琶湖で、釣ったバスを生きたまま戻す「キャッチアンドリリース」をめぐる論争が続いている。「アユが食われ、生活を脅かしている」とリリース禁止を訴える漁師。貸船業者らは「禁止は客の激減につながる死活問題」と主張する。この問題で県は6月までに方針を出す。(下地 毅)

漁師否定に等しい 県魚連青年会長

漁協が駆除

守山漁協では2月末からバスやブルーギルの駆除を始めた。4月に入り、定着網のエリや刺し網で取れる外来魚は日に日に増える。漁師は「水温の上昇に伴い、外来魚の動きも活発になる」と話す。バスの腹からはたくさんのアユはホンモロコが出てくる。その食欲に漁師は顔を曇らせるばかりだ。

県魚連青年会の戸田直弘会長(40)は「リリースは漁師の存在の否定に等しい行為だ」と訴える。

禁止を食い止めたい 貸船業者

時代に合わせ

「生活するには時代に合わせるしかない」貸船業者を始めて34年になる寺田京二さん(64)=大津市=は「固有種でのんびり商売を続けたかった」と言う。当初、ヘラブナやホンモロコの釣りの客が相手だったが、バス釣り客が増えるに伴って専用船を導入した。今は専用船しかない。

寺田さんは3月24日、守山市内でシンポジウムを開き、「琵琶湖でリリース禁止になると日本中で釣りが衰退する。何とか食い止めたい」と訴えた。昨年11月、業者仲間と千人の客に「リリース禁止になれば琵琶湖に釣りに来るか」とアンケートした。688人が「来ない」と答えた。

両論併記

研究者らでつくる琵琶湖適正利用懇談会は3月20日、貴重な生態系を守るために「安易にバスの存在を容認すべきでない」と県に提言した。ただ、リリース禁止の方向が「懇談会の大勢の見解」としながらも、「バスで生計を立てる業者の存在も事実」「リリース禁止は釣り客の減少を招いて業者に経済的な影響を与えるとの意見もある」と併記した。

県の対応

県は、今年度から約3億8千万円を賭けて外来魚の「駆除3カ年事業」を始めた。漁師から外来魚を買い取る価格を1キロ150円から350〜500円に引き上げたが、懇談会委員や漁師は「駆除に金を出しながらリリースを黙認している」と疑問を投げかける。

新潟県や岩手県は内水面漁業管理委員会の指示でバスやギルのリリースを禁じているが、滋賀県はそこまで踏み込んでいない。

国松善次知事は「バスを釣ったら食べて欲しい。食べないならば戻さないで欲しい。その思いを条例にすることを考えいる」と話している。