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■生態系を乱す・・・嫌われ者のブラックバス「県外販売」に広がる波紋(2001/12/15 朝日新聞朝刊)

全国の湖や河川で、固有種の魚を食い荒らし、生態系を乱すとして嫌われている外来魚のブラックバス。滋賀県の琵琶湖ではアユやニゴロブナなどが減る原因とされるが、ブラックバスを取って県外の湖への放流用に売る漁師もいる。周りからは「バスファンを増やしている」との批判の声もあるが、本人は「駆除への思いは仲間と一緒」と、揺れる思いで漁を続けている。

アユなどが減少  ブラックバスを放流用に県外へ販売しているのは、琵琶湖北部の湖北町の漁師(49)。自宅近くの琵琶湖岸にあるいけすには、多数のブラックバスが泳ぐ。自ら網で捕らえたり漁師仲間から買い上げたりしたものだ。

「94年から、ブラックバスを山梨県の河口湖までトラックで運び、現地の漁協に売っている。出荷作業は10月から翌年の5月まで続き、多い年には3トンになる。

現在、ブラックバスの放流が認められているのは河口湖や神奈川県の芦ノ湖など全国で4カ所だけだ。「バスは琵琶湖にいてはいけない魚。僕の収入になるのは事実だけれど、売ることは駆除につながる」と漁師は話す。しかし、同業者から「琵琶湖の外に運び出しても、ここをバス釣り場にしたいと思う人の手で再び琵琶湖に放たれるのでは」などと批判も受ける。

「駆除」が大勢  琵琶湖で初めてブラックバスが確認されたのは74年。漁業関係者が駆除に鳴り出すと同時に、バス釣りファンとの間で激しい対立が生まれた。滋賀県は漁業者からの要望で、昨年から駆除のため1キロ150円で買い上げて肥料などにしている。一方で、釣り具メーカーなどでつくる日本釣振興会は昨年、公認バス釣り場の増設を求める100万人の署名を集めた。

琵琶湖の漁獲量は、外来魚の増加などで55年の約1万トンから今は5分の1に落ち込み、漁師も88年の約1900人から10年間で800人減った。滋賀県が昨年、県民3千人を対象に実施したアンケートでは、ブラックバスを「駆除すべきだ」の回答が60%を越えたのに対して「釣りに利用すべきだ」は9%足らずで、駆除以外でのかかわり方に向けられる県民の視線は冷たい。

漁師は「バスとの今のかかわりがいいのかどうか、答えが見つからないのが本音だ。ただ、バス撲滅への思いは仲間と共有しているつもりです」という。