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■琵琶湖のレジャー適正化条例案、県議会委で可決(朝日新聞2002年10月10日朝刊滋賀県版)

湖守りルール必要 県議会の琵琶湖環境農政水産常任委員会は9日、外来魚の再放流禁止などを盛り込んだ「琵琶湖のレジャー利用適正化条例」案を全会一致で可決した。16日の本義会で可決、成立する見通 し。来年4月から施行される。委員会では、釣りや水上バイクの業界団体代表らを参考人としして招致し、意見を聴いた。また、施行3年後をめどに条例などを見直すよう求める付帯決議を採択した。

施行3年見直しも 付帯決議を採択

条例案では、ブラックバスなど外来魚が琵琶湖の生態系に悪影響を与えているとして、再放流を禁止した。また、未燃焼ガソリンを多くは排出する従来型2サイクルエンジンの水上バイクなどプレジャーボートについて。08年4月から全面 禁止にした。これらの条項に罰則は設けていない。

午前10時過ぎからの委員会では、川上毅・県自然保護課長が、琵琶湖の優れた景観と自然生態系の重要性を挙げ、、湖を守るために条例制定が必要だと訴えた。再放流禁止の根拠については、林英志・県水産課参事が「在来魚の漁獲量 は外来魚の増加に伴って激減するという相関関係がある」と指摘した。

参考人への質疑では、委員会が選んだ業界団体や自然保護団体の代表ら6人が意見を述べた。条例案策定前、県が設置した琵琶湖適正利用懇談会で会長を務めた西川幸治・県立大学長は「琵琶湖のレジャーにはルールが必要」と説明。これに対し、業界側は「規制には科学的根拠がない」などとして条例案を継続審議とすることなどを求めた。

条例案の可決後、出席した委員から付帯決議案が提案され、これも全会一致で可決した。知事に対して、レジャーが琵琶湖に与える環境負荷を減らすため、施行3年後をめどに新たな方策などを検討し、条例などの「必要な見直し」を求めている。


参考人6人の陳述

モラルが低下 西川幸治・県立大学学長 かつて琵琶湖を含む自然界と人間には、人が作為的なことをしない限りバランスがとれる「予定調和」が存在した。現在は、科学発展とレジャー活動の高まりが、自分勝手な行動を招き、予定調和を崩している。モラルの低下が最大の問題であり、何らかのルールを作らないと生態系を維持できない時代になった。

条例定着を願う 北村勇・県漁連副会長 外来魚の異常繁殖は琵琶湖の生態系を破壊し、漁獲高は10年前の3分の1まで減った。漁師の生活は深刻な状況だ。県漁連も外来魚の買い上げなど駆除事業に取り組み、外来魚を駆除するように努力している。長い年月をかけ形成された生態系が一時のレジャーのために失われようとしている。再放流禁止が定着するよう願っている

事業者重視だ 寺川庄蔵・びわ湖自然環境ネットワーク代表 条例案自体には賛成だが、水上バイクの全面 禁止、プラスチックワームの禁止などが抜け落ち、県民の配慮より事業者を重視した内容になっているのが不満だ。対外的には県は環境政策に熱心と受け止められている。不完全な条例を作ることは、全国の自治体が同様の条例を検討する場合、影響を与えかねない。

財産権の侵害 林良訓・県小型船舶協会副会長 2サイクルエンジンのプレジャーボートの使用禁止は賛成できない。正しくレジャーを利用する所有者の財産権の侵害にあたる。禁止する明確な基準もなく、使用者にも理解を促すのは難しい。エンジンの排気は廃棄は環境に負荷をかけ、省資源の潮流に逆境する。慎重に検討、討議を重ねる必要がある。

実効性に乏しい。 寺田京二・県フィッシングボート共同組合代表理事 在来魚の減少の原因は間接的には湖周辺の開発や水質悪化で、直接的にはブルーギルの異常繁茂。再放流禁止で70%の釣り人が来ないとアンケートで回答するなど、禁止になれば廃業に近い状態になる。釣り人の多くが反対する現状では、実効性に乏しい。再放流禁止に当面 の猶予期間を願いたい。

延期すべきだ 高宮俊諦・日本釣振興会常務理事 釣り人だけに責任を押しつける再放流禁止を進めて本当に良いのか。その前に行政がやるべきことは山積みしている。科学的な外来魚の生息データもなく、全国からの反対意見があるのだから延期すべきだ。数年かけて漁業者、県、釣り人らにより行同調査を実施し、具体的な協議すればよい。