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■琵琶湖の底 ワーム(疑似餌)数トン 環境ホルモン溶け出す恐れ(2001/6/1 朝日新聞朝刊)

全国各地で池や湖で、ブラックバス釣りなどで使い捨てられた疑似餌のプラスティック製ワームから、環境ホルモンの可能性が疑われている有害物質が溶けだしていることが問題になっている。とくに関西のブラックバス釣りで人気の琵琶湖では、ワームから有害物質が溶け出していることを滋賀県も確認しており、湖に生息する魚などへの影響が心配される。市民グループはワームの回収を呼びかけているが、釣り客の捨てるワームも絶えず。「湖底には数トン沈んでいる」とみている。

全国的なバス釣りブームで、琵琶湖は今では年間約50万人の釣り人が訪れる。手が汚れずに食いつきがいいため、ワームがバス釣りの主流になっていて、湖に捨てられる量 も急増している。

環境への影響を心配した滋賀県環境政策課が今春、プラスティックを軟らかくするためにワームに含まれるフタル酸ジエチルヘキシル(DEHP)について調べたところ、1週間で数%が溶け出していることを確認した。DEHPは生殖機能への悪影響が指摘されており、環境省が優先的に有害性を調べる物質として評価を進めている。

市民ら呼びかけ大規模回収計画

大津市千町1丁目、建築資材販売会社社長の長谷川広海さん(47)ら3人は2月から3月にかけ、琵琶湖東岸の守山市から草津市までの3カ所計900平方メートルで約3時間ずつ潜るなどして、湖底に沈んだワーム約40キロを回収した。長谷川さんは「ワームは何度も投げ入れたり食いつかれたりして、1個数十円と安いこともあり、捨てて帰る人が多い」という。

捨てられたワームを魚が飲み込む例もある。滋賀県漁業協同組合連合会青年会の鵜飼広之副会長(41)は99年7月、沖合いに仕掛けた網にかかったウナギの内臓から、長さ約10センチのワームを見つけた。鵜飼副会長は「ワームには塩味が付けられていて、肉食のウナギはえさと間違えやすい。コイがワームを吐き出すのを見たことがあるという漁師もいて、魚への影響が心配だ」と話す。

このため、長谷川さんは市民に呼びかけ、9月に滋賀県近江八幡市から大津市にかけて、大規模なワームの回収作業を計画している。長谷川さんは「回収作業が釣り人のモラル向上につながってほしい」と話している。問い合わせは、長谷川さん(077-534-7172)へ。 全国的に被害も

全国的に被害も

ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議の立川涼代表(愛媛県環境想像センター所長)の話 DEHPは医療品やおもちゃなど日常生活に幅広く使われ、水に溶けやすいため、全国の河川や湖沼に流入している。欧州では幼児の口に入るおもちゃへの使用禁止の動きもあるほどで、ワームの素材を変えたり、表面 をコーティングしたりして、自然環境に溶け出さないような対策が必要だ。